【リップロールの練習・ボイストレーニング(ボイトレ)】~リップロール(リップトリル)~
目次
- 1、リップロールとは…?
- 2、リップロールを行う目的・効果
- 3、たくさんの呼び名
- 4、リップロールの発音の仕組み
- 5、リップロールの出し方・ポイント
- 6、リップロールがうまく出せない場合
- 7、リップロールの練習
1、リップロールとは…?
・上下の唇をふるわせて出す音のことをリップロールと言います。
2、リップロールを行う目的・効果
・歌う前のウォーミングアップ。歌った後のクールダウン。喉頭の筋肉の緊張を和らげる(緊張を取り除く)。のどの緊張を感じたら行う。あごをリラックスさせる。
・息のコントロール。息の流れを安定させる。
・声帯の閉じる度合いを下げる。(声帯が伸び広がるのに対して逆らう力を抑え)声帯を伸ばし広げる。声帯が強くぶつからない状態で声帯筋を覆っている粘膜の振動のふり幅を大きくする。
・息と声(喉の筋肉の働き)のバランスを調整する。地声から裏声、裏声から地声への切り替えをなめらかにつなげるような発声にする。
3、たくさんの呼び名
リップロール
・英語で『唇』を意味する[lip]、唇を連打する音で、リップロール(lip roll).
リップトリル
・英語で『ふるえる音』を意味する[trill]という言葉が使われ、唇を使ってふるえる音を出すという意味から、リップトリル(lip trill). 唇のトリル。口唇トリル。
リップバブル
・英語で『泡』や『泡立ち』などの意味があるバブル[bubble]という言葉が使われ、リップバブル(lip bubble).
4、リップロールの発音の仕組み
空気の力で唇をふるわせる
・合わせた上下の唇の間を息が通過することによって唇がふるえ音が生まれます。
吐く息の力と唇の力などによって「離れる-つく」がくり返される
・合わせた唇は肺から吐く息(送られた空気)の力で押し開けられ(離れ)、吐く息が口の外へ流れ出ますが、吐く息の力が加わって押し開けられた唇がもとの形に戻ろうとする力などで再び閉じます。吐く息の力と唇がもとの形に戻ろうとする力などによって、離れる-つく(触れる)が短い時間の間にくり返されます。その際に声帯の振動が伴えば「ブルブル」、伴わなければ「プルプル」という音となります。
5、リップロールの出し方・ポイント
・上下の唇を閉じた状態で息を吐いて、唇をふるわせます。
唇を少し前に突き出す
・唇をゆるませるような感じで閉じ、少し前に突き出した状態で息を吐いて、上下の唇をふるわせてみましょう。唇をゆるませるような感じで閉じ、少し前に突き出すことで、唇はふるえやすくなります。
唇を湿らせる
・唇が乾燥しているとふるわせにくく感じる場合があるので、適度に水分を摂ったり、リップクリームで保湿したりしましょう。
上下の歯の間隔を少し離す
・口の中の広さが唇のふるえやすさに影響する場合もあります。口の中が狭くなると唇がふるえにくくなる場合もあるので、歯を噛み合わせたり、食いしばったりせず、上下の歯の間隔を唇が閉じられる範囲で少し離してみましょう。
口の中を広く深くする
・口の中の広さはつくり出される音にも影響します。口の中を狭くすると声のトーンが高くなり、広くすると低くなります。口の中を広げる、奥に向かって広げるイメージで行ってみましょう。
6、リップロールがうまく出せない場合
頬を少し上に持ち上げる
・口角の少し横あたりから頬骨のあたりにかけて指先で少し上に持ち上げる、または軽く抑えるとやりやすい場合もあります。
マッサージ・柔軟体操、リラックスして行う
・唇をうまくふるわせるためには必要のない力を抜くことが大切です。唇が緊張し過ぎたり、のど、首、体に力を入れて硬くならないように、顔のマッサージや柔軟体操などを行い、口や体の緊張をほぐすとやりやすい場合もあります。
鼻をつまむ
・鼻をつまんで行うとやりやすい場合もあります。
頬を少し上に持ち上げ、鼻をつまむ
・頬骨のあたりの筋肉を少し上に持ち上げる、または軽く押さえ、鼻をつまんで行うとやりやすい場合もあります。
ヘリコプターのプロペラが回転する音のイメージで出す
・大型ヘリコプターの機体の上についている大きなプロペラが回転する時の「バタバタ」「バラバラ」という音をイメージしながら行うとやりやすい場合もあります。
バイクの排気音のイメージで出す
・イメージしているバイクの大きさや種類、速度などによって音の感じが異なると思いますが、唇をふるわせるためにバイクの「ブルルル」という排気音をイメージしながら行うとやりやすい場合もあります。
単語を反復して出す
・「プルッ プルッ」や「ブルッ ブルッ」をくり返し発音し、そこから徐々にリップロールへとつなげてみるとやりやすい場合もあります。
7、リップロールの練習
・呼吸を調整し、声の通り道をリラックスさせ、安定した呼吸を維持して楽に、ゆったりと大きな動きで安定して長く出せるように練習しましょう。
A. 声を出さない(無声)リップロールと声を出す(有声)リップロールを出す練習
声を出さないリップロールを出す
・声を出さずに唇だけをふるわせてみましょう。声帯の振動を伴わないリップロールなので、無声リップロール(無声リップ)とも言えます。うまくできるようになってきたら、一定の大きさで2~3秒伸ばしてみましょう。
声を出すリップロールを出す
・声を出しながら唇をふるわせてみましょう。声帯の振動を伴うリップロールなので、有声リップロール(有声リップ)とも言えます。うまくできるようになってきたら、一定の大きさで3~5秒伸ばしてみましょう。
1音ごと交互に出す
・無声リップロールと有声リップロールを1音ごとに息を吸って交互に出してみましょう。
ひと息でつなげて出す
・無声リップロールと有声リップロールをひと息でつなげて出してみましょう。慣れてきたら交互に出し、くり返す回数を増やしてみましょう。
ひと息でつなげて交互に出し、それぞれの部分で長さを変える
・無声リップロールと有声リップロールをひと息でつなげて交互に出し、それぞれの部分で長さをいろいろと変えてみましょう。慣れてきたら、くり返す回数を増やしてみましょう。
有声リップロールの部分で声の高さを変える
・無声リップロールと有声リップロールを1音ごとに息を吸って交互に出し、有声リップロールの部分では声の高さをいろいろと変えてみましょう。
・無声リップロールと有声リップロールをひと息でつなげて交互に出し、有声リップロールの部分では声の高さをいろいろと変えてみましょう。慣れてきたら、くり返す回数を増やしてみましょう。
有声リップロールの部分で地声・裏声を変える
・無声リップロールと有声リップロールを1音ごとに息を吸って交互に出し、有声リップロールの部分では地声、裏声を変えてみましょう。
・無声リップロールと有声リップロールをひと息でつなげて交互に出し、有声リップロールの部分では地声、裏声を変えてみましょう。慣れてきたら、くり返す回数を増やしてみましょう。
有声リップロールの部分で音の大きさを変える
・無声リップロールと有声リップロールを1音ごとに息を吸って交互に出し、有声リップロールの部分の音の大きさを変えるようにしてみましょう。
・無声リップロールと有声リップロールをひと息でつなげて交互に出し、有声リップロールの部分の音の大きさ大きさを変えるようにしてみましょう。慣れてきたら、くり返す回数を増やしてみましょう。
B. いろいろな音の長さでリップロールを出す練習
リップロールを短く出す
・無声リップロール、有声リップロールを1音ごとに息を吸って短めに出してみましょう。慣れてきたら、くり返し出してみましょう。
リップロールを長く出す
・無声リップロール、有声リップロールを5~10秒出し続けてみましょう。できるようになってきたら、15秒~20秒出し続けてみましょう。
C. いろいろな音の高さでリップロールを出す練習
・自分が出しやすい声の高さでリップロールを出してみましょう。
・低い音から高い音まで、声の高さをいろいろと変えてリップロールを出してみましょう。
音の終わりで高さを変える
・自分が出しやすい声の高さでリップロールを出し、音の終わりの部分で音の高さを低くしてみましょう。
・自分が出しやすい声の高さでリップロールを出し、音の終わりの部分で音の高さを高くしてみましょう。
リップロールの音程を変えて声を出し、音の終わりで高さを変える
・低めの声でリップロールを出し、音の終わりの部分で音の高さを低くしてみましょう。
・低めの声でリップロールを出し、音の終わりの部分で音の高さを高くしてみましょう。
・高めの声でリップロールを出し、音の終わりの部分で音の高さを低くしてみましょう。
・高めの声でリップロールを出し、音の終わりの部分で音の高さを高くしてみましょう。
高音から低音まで下げる
・高音から低音まで音の大きさを一定にキープしたまま、リップロールで素早く音を下げて(低くして)みましょう。
・高音から低音まで音の大きさを一定にキープしたまま、リップロールで徐々に音を低くしてみましょう。
低音から高音まで上げる
・低音から高音まで音の大きさを一定にキープしたまま、リップロールで素早く音を上げて(高くして)みましょう。
・低音から高音まで音の大きさを一定にキープしたまま、リップロールで徐々に音を高くしてみましょう。
低音から高音まで上下する
・低音から高音まで音の大きさを一定にキープしたまま、リップロールで素早く音を上げ(高くし)、その後、素早く下げて(低くして)みましょう。
・低音から高音まで音の大きさを一定にキープしたまま、リップロールで徐々に音を高くしていき、その後、徐々に低くしてみましょう。
高音から低音まで上下する
・高音から低音まで音の大きさを一定にキープしたまま、リップロールで素早く音を下げ(低くし)、その後、素早く上げて(高くして)みましょう。
・高音から低音まで音の大きさを一定にキープしたまま、リップロールで徐々に音を低くしていき、その後、徐々に高くしてみましょう。
D. 裏声でリップロールを出す練習
裏声でリップロール出す
・裏声を出しながら唇をふるわせてみましょう。できるようになってきたら、音の大きさを一定にキープしたまま行ってみましょう。
1音ごと交互に出す
・地声リップロールと裏声リップロールを1音ごとに息を吸って交互に出してみましょう。
地声リップロールと裏声リップロールをつなげて出す
・地声リップロールと裏声リップロールをつなげて出してみましょう。スムーズにつなげるようになってきたら、交互にくり返し、慣れてきたらくり返す回数を増やしてみましょう。
裏声リップロールの音の終わりで高さを変える
・自分が出しやすい高さの裏声でリップロールを出し、音の終わりの部分で音の高さを低くしてみましょう。
・自分が出しやすい高さの裏声でリップロールを出し、音の終わりの部分で音の高さを高くしてみましょう。
裏声リップロールの音程を変えて声を出し、音の終わりで高さを変える
・低めの裏声でリップロールを出し、音の終わりの部分で音の高さを低くしてみましょう。
・低めの裏声でリップロールを出し、音の終わりの部分で音の高さを高くしてみましょう。
・高めの裏声でリップロールを出し、音の終わりの部分で音の高さを低くしてみましょう。
・高めの裏声でリップロールを出し、音の終わりの部分で音の高さを高くしてみましょう。
E. いろいろな音の大きさでリップロールを出す練習
・自分が出しやすい音の大きさでリップロールを出してみましょう。
・小さな音から大きな音まで、音の大きさをいろいろと変えてリップロールを出してみましょう。
音の大きさを一定にキープしたままリップロールを長く出し続ける
・自分が出しやすい音の大きさでリップロールを出し、音の出だしから終わりまで音の大きさを一定にキープしたまま5~10秒出し続けてみましょう。できるようになってきたら、15秒~20秒出し続けてみましょう。
・小さな音から大きな音まで、音の大きさをいろいろと変えてリップロールを出し、音の出だしから終わりまでそれぞれ音の大きさを一定にキープしたまま5~10秒出し続けてみましょう。できるようになってきたら、15秒~20秒出し続けてみましょう。
いろいろな音の高さ、大きさを組み合わせてみる
・いろいろな音の高さと大きさの組み合わせでリップロールを出し、5~10秒出し続けてみましょう。できるようになってきたら、15秒~20秒出し続けてみましょう。
音の高さ
・自分が出しやすい高さから、低目、高目まで。地声、裏声でも試してみよう。
音の大きさ
・自分が出しやすい大きさから小さな音、大きな音までいろいろと変えてみましょう。
F. ドレミでリップロールの練習
♪リップロールで音階の上昇と下降練習をしてみましょう。
・ド レ ド
・ド レ ド レ ド レ ド レ ド レ ド レ ド
・ド レ ミ レ ド
・ド レ ミ レ ド レ ミ レ ド レ ミ レ ド
・ド ミ ソ ミ ド
・ド ミ ソ ド(↑) ソ ミ ド
・ソ ド
・ソ ミ ド
・ファ ド
・ド(↓)ド
・ド(↓)ソ ミ ド
など様々なパターンで練習してみましょう。
G. 体を動かしながらリップロールを出す練習
・体を左右にひねりながら、リップロールをしてみましょう。
・その場で軽くジャンプしながら、リップロールをしてみましょう。
・頭をゆっくりと前後に動かしながら、リップロールをしてみましょう。
・首をゆっくりと左右に傾げながら、リップロールをしてみましょう。
・顔を左右交互に向けながら、リップロールをしてみましょう。
H. 喉頭の位置を変えてリップロールを出す練習
・リップロールを出しながら、喉頭(のど仏)の位置を上下にいろいろと変えてみましょう。喉頭の位置を下げると深みのある声、暗い感じの音になり、上げると浅い声、明るい感じの音になります。
I. リップロールで曲を歌う練習
・まずは、メロディの一部分をリップロールで歌ってみましょう。慣れてきたら1曲全てリップロールで歌ってみましょう。
J. リップロールから続けて歌う練習
・ゆっくりとしたテンポで息継ぎのあとのひと言目の前にリップロールを出してから、そのまま続けてひと言目を歌ってみましょう。できるようになってきたら、少しずつリップロールをなくしていき、通常の歌詞で歌ってみましょう。
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